導入の背景:次世代を担う高校生や大学生などの若い世代に「歴史のバトン」をつなぐ
―― オープンバッジの発行組織となる公益財団法人笹川保健財団と及川様が所属するハンセン病資料館の活動についてご紹介いただけますでしょうか
及川氏:笹川保健財団は、主にハンセン病対策や在宅看護の推進に取り組んでいる団体です。当財団が厚生労働省から運営を受託している「国立ハンセン病資料館」は、ハンセン病問題に対する正しい知識を広め、偏見・差別の解消、そして元患者・回復者とそのご家族の名誉回復を図ることを目的としています。
この度、厚生労働省主催で年に一度開催される「ハンセン病問題に関するシンポジウム」(2月開催)にて、初めてオープンバッジを発行します。対象は会場参加者とオンライン参加者の両方で、400名〜500名程度の発行を想定しています。
―― 今回オープンバッジを導入された背景について教えていただけますか。導入前の課題や、何か目標があったのでしょうか。
及川氏: 来館者の新規層を増やすことが課題でした。現在資料館に足を運んでくださる方の約6割は50代〜70代です。歴史を風化させないためには、次世代を担う高校生や大学生にこの問題に触れてもらう必要があります。厚生労働省からも「次世代を担う高校生や大学生などにも広く普及啓発してほしい」というミッションを受けています。 そこで、大学などの教育機関で導入実績があり、若い世代が「集める」楽しみを感じ、学びの可視化ができるオープンバッジに着目しました。

採用した理由:対応の丁寧さと柔軟さが決め手
―― オープンバッジ発行システムにもいくつかある中で、オープンバッジファクトリーを採用した決め手があれば教えてください。
及川氏:対応の丁寧さと、当館の特殊な環境に対する柔軟性が決め手でした。 当館のような公共施設は、セキュリティ制約が厳しく、システム導入のハードルもあるのですが、インフォザインさんは、そうしたアナログな環境や制約を理解した上で、運用方法を一緒に考えてくださいました。単なるツールの提供ではなく、私たちの「やりたいこと」に歩み寄ってくれた安心感がありました。
―― 導入にあたって苦労された点はありますか。
及川氏:組織内や関係各所において、オープンバッジの認知度が低かったことです。 「どんな効果があるのか」「参加証を持っていて何に使うのか」といった疑問に対し、以下の切り口で説得を行いました。
• 生涯学習の可視化: 年配層の方々にも「学びの証」として価値がある。
• スモールスタート: 最小限のプランから始め、まずは「やってみる」。
• 次世代への継承: たとえ少人数であっても、若い世代が自発的に参加するきっかけになるなら価値がある
と説明をしました。この「未来への投資」という視点が、関係者の納得につながりました。
―― バッジ発行作業はどのようにされる予定ですか?
及川氏: 当日のアンケート回答をバッジ取得の条件に設定することで、参加者の声をしっかりと拾いながら、スムーズにデジタル証明を渡せる仕組みを整えているところです。
―― バッジデザインは外注されましたか?
及川氏:デザインはインフォザインさんにお願いしました。「差別や偏見の歴史を学び、尊厳・人権・共生を未来へつなぐ」というテーマを、幾何学模様のタイルで表現した「光」のモチーフに込めていただきました。事前にポスターやチラシで告知した際も、このデザインが目を引くアイコンとなってくれました。

バッジデザインを担当したデザイナーのコメント『「未来をイメージする光」をモチーフに。立体感のあるデザインで、デジタル上でも所有感を感じられるよう仕上げました。』
今後の展開:学びを「自分事」に変え、アクションを促す
――今回のシンポジウムを皮切りに、今後はどのようにオープンバッジを活用していきたいですか
及川氏: シンポジウムだけでなく、学芸員による出張講座や、企業向けの「ビジネスと人権」講座の修了証としても展開したいと考えています。 また、資料館を何度も訪れてくださる「ヘビーユーザー」の方々にとっても、学びの積み重ねが可視化されることは大きなモチベーションになるはずです。 オープンバッジは国際規格ですので、海外の回復者支援団体との連携など、世界中の人が私たちの活動にアクセスする入り口になれば嬉しいですね。バッジを受け取った方が、それをきっかけに自ら調べ、アクションを起こしてくれることを期待しています。
【インフォザインより】
今回の事例は、従来から大切に継続されてきた啓発活動にデジタル技術を掛け合わせ、新たな層へアプローチする素晴らしい一歩だと感じています。 「認知度」という課題に対しても、オープンバッジが社会的な価値を持つよう、私たちもプラットフォームの普及に尽力してまいります。取材にご協力いただいた及川様、誠にありがとうございました。
【オープンバッジファクトリーとは】

オープンバッジファクトリーは、デジタル証明としての国際的な技術標準規格であるオープンバッジ 2.0に準拠した「オープンバッジ」を作成・発行・管理するためのプラットフォームです。
公的な資格試験の合格証から、講座の修了証、イベント参加証、スキル証明や、ゲーム感覚の楽しいバッジ集めまで、教育機関だけでなく、NGOや企業内での人材育成など、子どもから学生・社会人まで、さまざまな用途に対応します。
修了証の発行をデジタルバッジで行うだけでなく、既存の学習活動にオープンバッジを適用することで、マイクロクレデンシャルの導入やゲーミフィケーション化が可能になり、学習成果をより明確かつ魅力的に示すことができます。
オープンバッジファクトリーの概要やサービス内容・プランの詳細など詳しくは下記リンクをご覧ください。
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ITと教育の分野でのイノベーターとしてのインフォザイン

「株式会社インフォザイン」は、東京 上野にオフィスを構え、教育とテクノロジーを融合させたEdTech分野でビジネスを展開しています。
「オープンソースとオープンスタンダードを活用し、教育の未来を創る」ことを目指し、特に力を入れているのは、ルクセンブルクのOAT社が開発したWebベースでアセスメント・テストを実施するためのCBT(Computer Based Testing)プラットフォーム「TAO」をベースとした新サービスの開発と提供です。
オンラインアセスメントのためのSaaS版CBTプラットフォーム「TAOクラウドJP」をはじめ、学力調査、大学入試、各種資格・検定試験などのCBT化に実績のあるアセスメントサービスを提供しています。
また、学習歴の可視化の手段として利用が広がっているオープンバッジの発行プラットフォーム「オープンバッジファクトリー」の日本における独占販売契約を締結し、サービスを提供しています。
なお、教育DXを推進するため、教育に興味を持っているITエンジニアはもちろん、教育分野に課題意識を持っている人材も広く募集しています。
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