TAO

CBTプラットフォーム「TAO」の次世代版が発表されました

「TAO」次世代版はモジュール型への刷新による大規模運用への対応、アクセシビリティの拡充、そして国際技術標準に基づいた持続的な進化を実現しました。 教育現場の多様化に応えることで、誰もが平等に学べる公平な教育環境の構築を目指します。


弊社のソリューションであるCBTプラットフォーム「TAO(タオ)」の最新情報です。

株式会社内田洋行は2025年12月5日に記者会見を実施し、グループ会社であるOpen Assessment Technologies S.A.(以下、OAT社、本社:ルクセンブルク)と共同で開発した「TAO」の次世代版を発表しました。

TAOは2002年から研究と活用が続けられてきた歴史あるシステムです。2023年5月にOAT社が内田洋行グループに参画したことで、TAOはグループの教育ICT戦略の中核を担うことになりました。弊社インフォザインは、その重要なTAOの日本市場における技術サポートを担っております。

本記者会見では、内田洋行グループおよびOAT社の経営層・開発責任者が出席し、TAO次世代版が目指すビジョンを語りました。

株式会社内田洋行
・代表取締役社長 大久保 昇 氏
・執行役員 教育総合研究所 所長 伊藤 博康 氏
・ICT&プロダクツデベロップメント事業部 副事業部長 畠田 浩史 氏

Open Assessment Technologies S.A. (OAT社) 
・CEO Senior Director of Global Assessment Solutions Hatto Sterling 氏
・Vice President of Product Management & President of OAT Corporation(US) Jeffrey Cuff 氏
・Co-founder & Open-Source Community & Vision Ambassador Patrick Plichart 氏
・Co-CEO 町田 潔 氏

株式会社インフォザイン
・取締役 CBTビジネス部 部長 永井 正一

TAO次世代版記者発表出席者
左より、株式会社内田洋行の大久保 昇氏、伊藤博康氏、畠田浩史氏、弊社インフォザインの永井正一、
Open Assessment Technologies S.A.の町田 潔氏、Patrick Plichart氏、Jeffrey Cuff氏、Hatto Sterling氏



◼︎概要


TAOの実績と信頼性
日本国内では文部科学省のMEXCBTの中核システムとして採用されています。2025年に実施した全国学力・学習状況調査では、約100万人規模におけるCBT試験の実施を支えました。
また、国際的にも2025年のOECD 生徒の学習到達度調査(PISA(ピザ))で次世代版がプラットフォームに採用され、106の国と地域で大規模運用に成功するなど、高い信頼性を誇ります。

次世代版TAOの設計思想
次世代版TAOは、OAT社の掲げる「公平性(Fairness)、透明性(Transparency)、持続可能性(Sustainability)」という価値に基づき、教育現場の多様化に対応するため、全面的にシステム構造を見直しました。これは、あらゆる学習者が場所、言語、環境を越えて同じ基準で学びを評価されるプラットフォームとして新たに構築を進めてきた成果です。

1. モジュール型への刷新と大規模対応
システムの全面的な見直しを行い、従来のような一枚岩の構造(モノリシック)から、機能ごとに独立して動作するモジュール型プラットフォームへと刷新しました。
これにより、世界的なCBT受検者数の増加を見据えた大規模・高負荷に耐える信頼性の高いシステムが実現されました。問題作成、テスト受検、テスト管理、採点、結果分析までの各機能をモジュール化することで、利用者は目的や規模に応じて柔軟に機能を選択・拡張できます。

2. アクセシビリティの拡充
次世代版は、身体的・認知的な特性に関わらず、あらゆる受験者が公平に同じテストを受検できるよう、国際規格である WCAG 2.1 AA に準拠し、アクセシビリティを拡充しています。

3. オープンスタンダードによる持続的な進化
国際技術標準(LTI ※1、QTI※2)に準拠することで、教育デジタルエコシステムの実現に貢献します。

TAO次世代版設計思想
「TAO」次世代版の設計思想


◼︎展開される次世代ラインナップ


・「TAO エンタープライズ」
インフラ構築やサーバー管理が不要なSaaS版で大規模CBT試験を実施する教育現場向けです。

・「TAO Community Edition(CE)」
GitHubやDocker版でオープンソースとして提供予定。世界中の開発者や研究者が開発コミュニティに参加し、継続的に機能が進化する仕組みが構築されます。(2026年1月以降提供予定)

・「TAO Studio」
テキスト、画像、動画などの多様なパーツをドラッグ&ドロップで直感的に作成できます。さらに、AIを活用した問題自動作成機能に加え、作成した問題やテストを体系的に蓄積し、過去問題の再利用や改訂を容易に実行可能です。(2026年9月提供予定)

TAO次世代版製品ラインナップ
「TAO」次世代版の製品ラインナップ
TAOStudio開発構想
「TAO Studio」開発構想


◼︎日本国内の提供形態

共有環境で手軽に利用できるマルチテナント型と、独自のカスタマイズや専用環境を必要とするシングルテナント型の2種類を用意しています。

弊社インフォザインは、今後もTAOを通じて教育の質の向上と評価の公平性をデザインし、グループ全体のICT戦略を推進してまいります。



◼︎デモンストレーション

TAO次世代版デモンストレーション永井1

TAO次世代版デモンストレーション永井2
会見の最後に、弊社 取締役 CBTビジネス部 部長の永井が登壇し、次世代版TAOのデモンストレーションを実施しました。
TAO受験者画面1
TAO受験者画面①
画像上をクリックして解答する直感的なインターフェースです。
(人口の多い州を順番に並べる問題です。)

 

TAO受験者画面2
TAO受験者画面②
ドラッグ&ドロップの直感的操作で解答できます。
(首都を古い順番に並べる問題です。)

 

TAO受験者画面3
TAO受験者画面③
受験者の特性に合わせて、画面表示の拡大やフォントサイズ、コントラスト、マウスポインターのサイズなどの表示設定を自由に変更できます。
(アクセシビリティツール)

 

TAO問題作成画面
TAO問題作成画面
「選択肢」「並べ替え」「穴埋め」などの問題形式パーツをドラッグ&ドロップで作問できます。
ルクセンブルクの国花を基調とした装飾
会場はルクセンブルクの国花である赤いバラを基調に、様々な色彩の装飾で華やかに彩られていました。


◼︎プレスリリース
内田洋行、世界で活用が進むCBTプラットフォーム「TAO(タオ)」次世代版を全世界同時発表~世界中の誰もが同じ機会を得られる世界標準テスト基盤~

※1  Learning Tools Interoperability(LTI®)/学習ツール間の接続・データ連携に関する国際技術標準規格。
※2 Question & Test Interoperability(QTI™)/異なるシステム間でテスト問題の相互運用を可能にする国際技術標準規格。
 QTI™ および LTI® は 1EdTech Consortium, Inc. の商標または登録商標です。Question & Test Interoperability(QTI)®、Learning Tools Interoperability(LTI)® は1EdTech Consortium, Inc.の登録商標です。
 TAO® はOpen Assessment Technologies S.A. が開発・商品化しています。
 TAO® はOpen Assessment Technologies S.A. の商標です。www.taotesting.com

 

infosign_logo-1

インフォザインは2001年に設立され、オープンソースのCBTプラットフォーム「TAO」のSaaS版「TAOクラウド」を提供するなど、オープンソースとオープンスタンダードの可能性を信じて、これらを活用した、全ての人々に貢献できる、より良い教育の未来を創造することに取り組んでいます。
2023年にオープンバッジファクトリー社のパートナーとなり、日本におけるデジタルバッジ発行サービスを提供しています。

株式会社インフォザイン
公式HP: https://www.infosign.co.jp/
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